不覚にも雨どいをオプションサイズにしてしまった訳は?
建築計画から請負契約まで約2年半。
市街化調整区域という事もあり開発許可及び農地転用でとてつもない時間がかかりました。
その反面、家の図面から追加オプション迄、十分すぎるほど検討できる時間があった事は、まあよかった事と言えます。
請負契約する直前まで「あーではない」、「こーではない」と重箱の隅をつつくような議論を秀光ビルトK氏と行い、「さすがにもう追加オプションは無いからお金もこれ以上はかからないはず!!」と高を括っていました。
しかし、ここでK氏が「そういえば・・・雨どいどうします?」と話を振ってきました。
「・・・雨どい?なにが?」と理解に苦しむシンスケ。
「雨どいなんて色を選ぶ以外に何がある?白に決まってるだろ。」と心に思っていましたが、話を聞くと次のような話でした。
曰く、「シンスケ邸は一般的な住宅より大きい。なので、その分、屋根も大きくなり、標準仕様の雨どいでは少々みすぼらしく見える可能性がある」
との事。
うーん。
既に予算はかなりオーバー気味だし、「雨どいなんて誰が気にするんだ?」と思っていたのですが、雨どいも調べれば調べるほど奥が深い事が分かってきました。
今回は雨どいについてシンスケが調べたなりの情報と、パナソニック製の雨どいのサンプルを取り寄せたのでそのご紹介を出来ればと思います。
雨どいとは?
雨どいは雨から建物を守る為、屋根に降り注いだ雨を集め、排水桝などに雨を誘導する役割があります。
雨どいのサイズを決める際には予想される雨量(建築予定地の過去の降水量など)と、屋根の面積から雨どいの大きさや取り付け場所を検討します。
まあ、なんとなくこのくらいのレベルでは雨どいの役割はご存知の方も多いと思います。
しかし、さらに詳しく調べると雨どいが無ければ、その雨が外壁をつたい家が痛みやすい事や、屋根の淵から大量の雨が1点に向けて落ちる事から、屋根の淵の真下にある物(一部基礎)などを劣化させやすいなど意外と雨どいの役割は大きいようです。
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雨どいの種類
「雨どいなんて色の違いと、メーカーの違い程度しかない」と思っていたのですが、色、材質、サイズ、形状など様々なものがあるようです。
雨どいの材質
樹脂製、ステンレス、銅、アルミ、ガルバ二ウムなどの種類があります。
樹脂製は安価で施工性に優れ、金属製は高価になります。
銅製の雨どいは取付時には黄金色に輝きキレイですが、経時的に青錆が付き始め、最終的には青黒くなります。
これを「劣化」と取るか「詫び錆び」と取るかは判断に迷うところです。
日本家屋や寺院などによく使われるイメージですね。
サンプルを取り寄せて知ったのですが、樹脂製といっても、内部に金属の芯が入っているものもあるようで見た目以上に丈夫そうです。
秀光ビルドではこの雨どい(写真では左側の小さいほう)が標準仕様となっています。
※写真に雨どいの断面が写っていますが、よく見ると完全な樹脂製ではなく、真ん中に金属製の芯が見えます。
雨どいの形状
昔は竹を縦に割ったような半円状の者が一般的でしたが、最近は四角状のものが主流になりつつあります。
理由は同じ大きさでも半円状より平面な底辺を持つ、四角状のものの方がより多くの雨水を排水できるからです。
同じ幅、高さでも、図の様に、半円状の方が四角状より2割程度、排水能力が劣るのが分かります。
サイズ
サイズは小さいものから大きなものまで存在しますが、予想される降水量と屋根の面積から計算してサイズを決定します。雨どいメーカーなどのホームページなどで簡単に必要な排水サイズを計算する事が出来ます。
「パナソニックアイアン雨とい排水計算システム」
なお、過去の雨量なども調べればすぐにわかります。
「気象庁 過去の気象データ検索」
屋根の面積はご自身の建築予定の図面などから確認してください。
パナソニック製の雨どいの場合、パラスケアU105(秀光ビルド標準仕様)とファインスケアNF-Ⅰ型(オプション仕様)ではほぼ倍、排水量が異なる様です。
確かに並べて比べても大きさが全く異なります。
排水能力はもちろんですが、地面から見上げた際に結構な存在感があり、屋根回りの高級感も増すのではないでしょうか?
排水有効断面積
雨といアイアン パラスケアU105 | 48.8c㎡ |
雨といアイアン ファインスケアNF-Ⅰ型 | 81.7c㎡ |
色
樹脂製であれば基本的には白・ベージュ・シルバー系、黒系、茶色系がほとんどを占めます。
金属性であれば金属の色そのものもありますし、表面に塗装が施されている物ももちろんあります。
パナソニックの「雨といアイアン パラスケアU105」に関してはサンプルを取り寄せましたので、写真を乗せます。
全6色です。
気になるお値段。
気になるオプション差額が写真の通り10万ちょい。
小サイズ(雨といアイアン パラスケアU105)であれば基本仕様品で差額は発生しません。
(色も、秀光ビルドであれば先ほどの写真の6色から選択できます。)
家の屋根の形状は写真の通りで至ってシンプルで、雨どいの長さ的には約24mです。
シンスケ邸は総2階で、外観及び屋根形状がシンプルな作りですが、屋根が複雑なつくりになればなるほど費用は割高になると思われます。
雨どいを選ぶにあたって
シンスケは雨どいをオプションで大サイズ(雨といアイアン ファインスケアNF-Ⅰ型)に変更しました。
始めは雨どいのサイズなんて気にもしていませんでしたし、変える気もさらさらありませんでした。
しかし、雨どいを変えた理由は以下の通りです。
1.実際に大サイズの雨どいがある家と小サイズの雨どいがある家を比べたが、雨どいが大きい方がやはりカッコいい・・・w
小サイズ(一般的サイズ)
大サイズ(オプションサイズ)
写真の通り、結構存在感が変わるんです。
※もちろん色が違う事による存在感の違いもあるとは思いますが・・・
2.昨今ゲリラ雷雨などで、降水量計算しても小サイズの雨どいでは多少心もとない気がする。
計算結果より、小サイズの場合、屋根の中央付近が排水が間に合わず外壁を痛める可能性も・・・
3.雨どいが大きいと軒下が大きく見えるので昨今のローコストハウス特有の軒下が小さい家を幾分か改善できる。
4.後に雨どいを変えたくても簡単に大きく出来る物ではない。(足場が必要な工事になる)
ちなみに30坪の家の雨どいの取り換え工事の一般的費用(小⇒小への交換)は約30~35万円だそうです。
※雨樋全体の交換費用(20万円程度)はもちろんのこと、足場設置費用、廃材処分費用(10~15万)が掛かってくるため。
上記、雨どいについての小話でした。
正直、外壁や屋根材などのオプションに関しては事前に調べていましたが、雨どい迄オプションがあるとは思わず、予想外の出費となってしまいました。
3LDK程度までの家を建てる場合は余り気にしなくても良いのかもしれませんが、それより大きな家を建てる場合は雨どいの変更費用もある程度視野に入れておいた方が後々費用のやりくりに困らなくてもいいのかもしれません。
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