新築住宅は独立式と全館空調どっちにする?全館空調のメリットとデメリットは!?
全館空調とは
日本の家屋では、一部屋一部屋にエアコンを取り付けて、各部屋で独立したエアコンを設置している場合がほとんどではないでしょうか?
逆に海外では床下や屋根裏、もしくは別途空調室を作り、そこに設置した一台の大型エアコンや送風機で家全体を空調管理する事が一般的です。これが全館空調と呼ばれる物です。
家全体を一台のエアコンで管理するので、家の中の温度がどの部屋も一定です。よって、冬場の風呂上がりや、移動時の廊下の肌寒さなど無縁となります。同じく夏場は廊下でもジメジメしない快適な環境です。
反面、めったに使わない部屋も常にエアコンがついている状態なので光熱費が高くなります。
今まではこの全館空調は大手ハウスメーカーでないと導入出来ない場合が多かったのですが、最近、比較的小さなハウスメーカーや工務店でも全館空調が導入が出来るようになっていました。
「いました」というのは、今は一時的に出来ないからです。※異なる全館空調システムで採用できる場合もある。
実は、シンスケも全館空調を導入予定だったのですが、壁裏によるカビ問題で上記、全館空調システムが発売が中止になったので泣く泣く諦めました。
今回、全館空調導入にあたり、色々調べた調査結果を無駄にしないためにも、全館空調導入のメリットとデメリットを紹介し、大手ハウスメーカーでの全館空調導入する方の判断材料、および、カビ問題が解決し小規模ハウスメーカーでも全館空調が再度導入できる様になった時に、導入検討される方の役に立てばと思います。
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全館空調のメリットとデメリット
まずは簡単に全館空調メリットデメリットを説明します。
メリット
部屋全体が同じ温度
上記で紹介したように、家全体が同じ温度で管理されます。
トイレには空調の排気口が導入されない事も多いですが、トイレ内の換気扇を動かす事でトイレ内が陰圧になり、廊下の温かいもしくは涼しい空気が引き込まれるので問題ありません。
よくパンフレットなどにヒートショック防止などの記載がありますが、自宅で発生するヒートショック自体は年間約5000例(一般的に言われるヒートショックの19,000例という数字のうち15,000例は自宅外の温泉で発生していますよってノーカウント)。
交通事故での死亡事例は約3500例でそれよりは多いですが、2017年にがんで死亡した人は約370,000人!!!桁が違います。
というわけでガンなどの他での死因が圧倒的に多いです。
シンスケは全館空調肯定派ですが、ヒートショックの為に全館空調を導入するのであれば、個人的には無駄と思います。
だって、ヒートショックで死ぬことを恐れるのであれば、毎年人間ドックで病気がないか調べるほうが生存率はいいと思いますし、また、温泉に行かないだけで確率がぐんと下がります。
部屋、家の周りがスッキリ見える
全館空調すると室内のエアコン本体がなくなり、壁・床・天井などに取り付けられる通気口のみになります。
なので、室内のデザイン性を気にされる方は重要なポイントです。
また、同様に室外機も1台になりますので家の周りがスッキリします。
室外機、配管、室内機が気になる方や、部屋毎にエアコン用の穴を開けたくない方は重要なポイントです。
部屋間取りに自由性が生まれる
家の中には何枚もドアがあります。
ドアの目的は色々あると思いますが、その中に、空気の出入り遮断すると言うものがあります。
しかし、全館空調の場合この空気を遮断すると言う理由に関しては考える必要が無くなります。
子供部屋、寝室、トイレや脱衣所などはプライバシー確保のためドアは必須でしょうが、例えば、リビングと廊下、台所と廊下などのドアは必要に応じて無くす事ができます。
これによって家の開放感を高める事ができます。
デメリット
音漏れなどプライバシーに難あり!?
全館空調の場合、空気の流れを作るために各ドアの下の部分が通常より大きな隙間があるとの事で、音漏れなどのプライバシーを気にする方にはオススメできません。
パイピングスペースが必要になる。
1階や2階へと温度調整された空気を送るためのパイピングスペースが必要になります。
そこまで大きなスペースは必要ではありませんが、数か所必要になる場合があり、設計でパイピングスペースをうまく隠すことができれば良いのですが、パイピングスペースをうまく隠せないと押入れの奥側が一部出っ張っていたりする場合があります。
パイピングの清掃が大変
部屋に設置するエアコンはある程度、自分でメンテナンスできますし、仮にカビが生えても個人で掃除することができます。
しかし、全館空調システムは定期的な清掃をするにも業者に依頼するしか方法はありません。
一度、全館空調の配管内にカビが生えてしまうと家中に巡らされている配管内を清掃する必要があり、これも基本業者に頼る必要があります。
また、全館空調はカビが生えるのを防ぐため、空気の流れを作る必要があり、基本電源をoffにできません。※温調機能OFFはできます。
シンスケが全館空調の導入を決めた理由の一つに、電動ドリルと、導線ワイヤー、ブラシ、掃除機を組み合わせた自作掃除用品で、20m位の配管であれば自分で掃除できるかな? と考えたからですが、業者に依頼するならメンテナンスに定期的に結構な費用がかかりそうです。
電気代がかかる?
電気代に関しては実際に導入した訳ではありませんので、なんとも言えませんが、まずは導入予定のエアコンが単相か三相電圧なのかによっても変わってくるのではないかと思います。
エアコンは機種によって業務用の三相電圧と一般家庭用の単相電圧とに分かれます。
業務用三相電圧は月々の基本料金がかかる代わりに、1kwあたりの電気代が安いのが特徴です。
24時間365日つけっぱなしにする全館空調であれば、業務用三相電圧のほうが結果として安くなるのでしょうが、例えば、春や秋は多少暑く寒くてもいいので電源を切って夏場・冬場だけ電源入れますと言う考えの場合、温調機能を使用しなくても必要になる業務用三相電源の基本料金がネックになるのではないでしょうか?
また、ソーラー発電を導入する場合、自家発電した電気は業務用三相では使用できないのでそのあたりも注意が必要です。
以上、シンスケ全館空調導入するにあたり、調査した、ハウスメーカー教えてくれなかった豆知識になりますがお役に立てたでしょうか?
で、なぜ発売中止になった?
なお、今回発売が中止になった、全館空調システムについて簡単に解説を。
大手ハウスメーカーの全館空調は、一般的に空気を送るダクト、回収するダクト計2本が各部屋へとつながっています。
今回、販売中止になった全館空調システムは空気を送るダクトは準備しますが、空気を回収するダクトは取り付けず、家の壁裏を通し、屋根裏の蓄熱室へと回収させるという構造でした。
今回カビ問題が発生したのは秀光ビルド異なるハウスメーカーらしいのですが、おそらく断熱材の取り付けなどに不良があり、壁裏に流れた空気の温度差で結露が生じカビが発生したのではないでしょうか?
ダクトを半分にすることで材料費などを削り、安価で全館空調を実現するシステムだったのですが、このような結果になり残念です。
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